合わせるということ(その2)

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あまり大したことは語れないのに、大仰なタイトルを付してしまって今更悔やんでも仕方がないが、「合わせること」について、ざっと触れてみる。

我々は、現在、「チャイコフスキー歌曲集」の音取りが終わり、歌詩付けを進めている段階である。

このような、あまり曲自体に馴染んでいない場合、どうしても他の団員が出した「音」に合わせようとしてしまうだろう。(以下、団員自身に合わせる気がある場合を想定している・・・汗)その出てきた音を聴覚として感じてから一々反応するわけなので、所詮、時間的に合うというのは無理な話である。しかし、このような不安定な状況はどうしても通らねばならぬ関門でもあり、このような段階を第一ステップとでも名付けようか。

次の第二ステップ。曲に徐々に慣れてくると、その流れを読んで、次に自分が何をすべきかがわかるようになってくるもの。フィジカル面(呼吸や支え等)との連係プレイも必要になってくる。

特にベースなどは、響き始めるまでに若干のタイムラグを要するため、若干音楽を前倒し気味に歌っていく技術を身につけていないと、全体の合唱の流れを停滞させる一因となったりする。ベースのほんの少しの先打ちは、音楽全体を引き締めることにもなるし、他パートの歌唱にとって大きな助けとなるなど、有利な点も多いのだ。

翻って、対比的な位置にあるトップは、下のパートを聴かずに先走る面がままある。さもありなん、高音のメロディパートなので、聴くには高度な技術と経験が必要なのである。

したがって、時間差を埋める作業としては、低音パートほど音楽を前に流すようにし、高音パートほど、音価を十分鳴らすよう努めると、合唱がより自然に説得力を持つようになる。

そして、聴こえてきた音に対してではなく、聴こえてくるであろう音を予測して合わせるわけなので、今度は時間的には、第一ステップより合った部分が多くなってくるわけだ。

第三ステップになると、即興の要素が強く絡んでくる。団員は音の流れを時間的に合わせるだけではなく、ライブ演奏で生じたいろんな偶然要素を、音楽的高みに昇華させるのだ。

しかし、ここまで到達するには次の通り、大前提がある。

 ・団員が十分に音楽を理解し、その流れを作ることができるようになっていること。
 ・団員が演奏すべき歌のイメージを持っていること。
 ・団員が表現すべき技術手法を習得していること。
 ・呼吸、表情や動きなどの情報を活用する余裕が団員にあること。

と、どこかで聞いたようなことを記したものの、前橋男声の過去の演奏の歴史では、せいぜい第二ステップがいいところかも知れないのだが…。ただ、このように段階を踏んで成果があらわれるとも限らないのが音楽の面白いところでもあるが、まずは、上述の前提条件を揃えるべく日頃の修練に励んでゆくほかないのだろうな。

 

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