まえだんブログ “気ままな練習日誌”をいつもご覧頂き誠にありがとうございます。
2020年もいよいよ暮れていきます。
今年は何と言っても、コロナ禍による衝撃が合唱界へ激烈なダメージを与えました。特に、国内での合唱団をクラスターとする感染者の発生は、世間一般からも「合唱活動」自体が感染拡大を助長するものとして白眼視されるに至っているのは周知の通りです。政府の3密忌避のガイドラインに「発声」の二文字が入ったり、昼カラオケでの類似混同事象の発生も、残念ながらこれを裏付ける方向へ動いてしまい、以来、歌唱行為全般が懸念される行動または避けるべき行為として世間から見られてしまっているように思えます。
2020年春以降の演奏会予定だけでなく練習予定もキャンセルされ、いまだに練習再開を見通せない団体は少なくないでしょう。当初は感染症不拡大のために慌てて練習を中止したものの、確信を持って効果的な対策を打てる状況はまだ訪れていないと判断しているというのが理由として挙げられるでしょう。ただ、理由はそれだけではなく、むしろ、一度世間一般からレッテルを貼られてしまった中で、団内から感染者を出すリスクに怯えているというのが大きいのではないかと感じています。なぜ怯えるのかといえば、感染症そのものへの恐怖もあるでしょうが、いわゆる風評により、ひとたび団内から感染者を出してしまえば、団の活動そのものが継続できない状況に陥るのではないかという危惧、このことなのです。
さて、当団のSNS上でのアナウンスメントは今年の春以降大変少なくなったわけですが、緊急事態宣言の出ていたGW前後の一時期を除き、細々ながら練習を持続して参りました。6月下旬の全日本合唱連盟からガイドライン発出に先立つ6月上旬から練習を再開し、現在に至っております。この間、個人の都合で数名が休団を余儀なくされ戦列を離れておりますが、組織的な練習は引き続き可能と判断され、連盟のガイドラインの改訂版に沿いながら、精進を続けている状況です。
このように合唱界、いや音楽を生業とする人達あるいは趣味とする人達にとり、大きな窮地が訪れている中、一方でネット上におけるライブ配信やストリーミングは活況を呈しています。実際に集まっての練習が不可能な中、ネットを通じてのオンライン合唱練習への試みも多くの方々によってなされてきました。ご存知のとおり、そこではネットにおけるデータ通信のタイムラグが発生しますので、同時にはなかなかうまく行きません。例えば指揮者の基準となる映像を、メンバーが自宅で見ながら特定パートを歌った音声ファイルを重ねて編集し、1つの演奏作品に仕立てるというやり方で、DTMへの一定の知識さえあれば、まずまずの水準にまとめ上げることが可能です。既にネット上には数多の演奏がアップされており、そのための専用アプリがもてはやされているくらいです。
とはいえ、実際の練習や本番で、メンバー同士が同じ空間で居合わせ呼吸が合った瞬間の素晴らしさ・・・これを味わったことのある人なら、奏でられる合唱は全く異質なものと成り果て、やはりオンラインでの合唱はうまくゆかないと痛感したのではないでしょうか。しかし一方で、その素晴らしさを味わったことのない人がいれば、オンライン練習は斬新で「なかなかイケるんじゃね?」と思うかも知れません。さらに、今のような状況が長期化すれば、そのように考える人は増加し、今後合唱音楽そのものが変質していく可能性だって捨てきれないのではと、危機感を抱いています。
何がともあれ、禍を転じて福となすことが全てでありましょう。そう言うのは簡単なのですが、変革への契機となる端緒をつかめる1年となりますよう祈念したいと思います。(丑年ですので、牛歩のようにゆっくりとでも構いませんよね)
それでは、皆様、良いお年をお迎えください。
(ヘッダー画像は、ラストサンセットを迎える御荷鉾山=近景は烏川。フッター画像は、同時刻の赤城山)
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