N響アワーが3月で終了

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「N響アワー」32年の歴史に幕 後継番組は初心者向け

 NHKを代表するクラシック音楽番組として30年以上親しまれてきた「N響アワー」(Eテレ、日曜夜9時)が3月で終了することになった。「N響だけを金科玉条にしていると、クラシック全体の底上げができない」とNHK。後継番組は室内楽やオペラ、バレエなどにも間口を広げる。

 N響アワーは1980年に始まり、NHK交響楽団の定期公演を中心に放送してきた。32年の歴史に幕を下ろし、4月からは初心者にも分かりやすく魅力を伝える「ららら♪クラシック」に模様替えする。司会は作家の石田衣良さんと作曲家の加羽沢美濃さん。「今はクラシックファンも多岐にわたる。N響以外の演奏も取り上げたい」と担当者。

 BSプレミアムでは従来通り、N響のすべての定期公演を放送する。地上波は入門編と位置づけ、さらに楽しみたいファンはBSに誘導したい考えだ。

(朝日新聞2012年2月14日 http://www.asahi.com/culture/update/0213/TKY201202130491.html)
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標題の通りである。この長寿番組が三月に打ち切られる。

地上波では数少ないオーケストラ演奏を扱う番組であった。現役の音楽家でもある歴代の解説者が、クラシック音楽を私のような素人にもわかりやすく解きほぐしてくれたものだ。 

敷居が高いと一般に受け取られがちのクラシック音楽であるが、個人的に、興味を持つようになるきっかけを与えてくれた番組なだけに、(それは決して私だけではないだろう)この突然の打ち切りは残念でならない。

もちろん、放送主体としてのNHKの判断であるから、既に新たな司会者のオファーも取り付け、来期に向けて準備も万端なのだろう。

しかし、ここで一つの疑念が浮かぶのである。それは、結局NHKは視聴者の意見を聴く気がなかったのではという点である。番組打ち切りがいつ頃内定したのか知る術もないが、それ以前に、視聴者の意見を聞くことをして欲しかった。

視聴者はきちんと受信料を払っているのである。それくらいの事をしてくれてもNHKは良かったのではないか。

しかも、「N響見たけりゃ、BS契約しな」とでもいうのか、今回の番組打ち切りの背景には、BSへの誘導意図があからさま過ぎて、呆れる思いである。

筆者はTwitterを少々かじっているのだが、N響アワーの時間帯は、特に番組終了を惜しむツイートが絶えない。

実際には当番組は視聴率が1%にも満たないということだが、何百年以上も生き残ってきたこのクラシック音楽の価値を再発見できる番組として、そして世界に名だたるN響を鑑賞できる機会として、国営の公共放送の使命をわきまえるなら、地上波にこれを残すことは一つの責務であるのではないか。

住みにくい世の中だからこそである。

新番組を見てからでも良いのではと仰る向きもあるだろうが、毎週必ずN響を鑑賞できるのは、N響アワーだけである。

国民的な損失として、私には2012年が記憶されることだろう。

 

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