今年2014年(平成26年)も間もなく暮れてゆきます。
前にも書きましたが、「暮れ」という時期は、例え午前中でもお昼時でも、本当に空気の色が黄昏色に染まっています。少なくとも、毎年この時分、私はそういう感慨を持ちます。そして、来たる大団円に向け、正調のハーモニーが整然、厳粛に奏でられるのです。それは、あたかもベートーヴェンの第九の様相とでも言えば、わかりやすいのかも知れません。
ただ、これとは不協和の音程が近からず遠からず流れ続け、まるで新年への展望を妨げるかのように、連年、その怪しい影は私に忍び寄って来ている気がしています。そこから逃れたい一心で、合唱活動に勤しんでいるのではという、そんな錯覚にも陥りそうな今日この頃なのであります。
さて、今年は、ネット上でも合唱活動の地域格差なんて事が話題になっておりました。確かに、政令指定都市級の都市圏と比べ、星雲状の小都市が連なるここ群馬県では、元々人口も二百万弱と多くなく、更に合唱人口も遙かに乏しい風土であります。そんな中、1989年(平成元年)に、私共前橋男声合唱団は産声を上げました。当然、このような痩せた大地に、なかなか深く根を張ることができず、様々な苦悶の中、真っ直ぐに育つことができず今に至っている・・・という恨みは確かにございます。
しかし、その後の残留団員の推し量れないほどの努力により、とにかく、この団は生き残り、なんとか地べたに張り付き現在に至っています。そして、今や、健やかなその体には、過去の艱難辛苦の形跡は消え去り、団内には真摯な眼差しと、快活な空気で満たされています。
そもそも、地域格差なんて恨み言を言っても、何も前向きな話は始まらないと思うのです。恵まれない境遇に育った者の共通項かも知れませんが、確かに毛色は良くなく、ぱっと見も特に大したことが無い。でも、我々のこのとどまることのない渇望をや・・・!
合唱という狭い世界でのこと。人数で押して目立ったもん勝ちという面は否定しません。けれども、音楽を雑に扱うのとは異なる次元でのハングリーさというものこそ・・・。我々のような地方合唱団は忘れてはならないのではないでしょうか。
来年は、第8回演奏会を控えていることもありますが、裸の前橋男声・・・(実は肉食!)・・・ぜひこのあたりもアピールできたらと思います。
小団にゆかりのある皆様を始め、本ブログご愛顧の皆様、一年間大変お世話になりました。皆様にとりまして、2015年が輝かしい一年となりますようお祈りしております。
(画像は某所での冬枯れ雑景を・・・バンディングノイズだらけですが・・・・)
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