つたない野望・・・

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これからの練習の大きなテーマに、「歌い込み」や「表現力アップ」等が挙げられるわけだが、 それと並行してTenorの発声強化に取り組みたいと考えている。 なぜなら、より良い合唱表現を実践するためには、 Tenorに掛かる係数が、今の前橋男声では大きいと考えられるからだ。

比較的まとまりやすいBass系に比べ、Tenor系のそれは難しいといわれる。読者の皆様には釈迦に説法ではあるのだが、 通常、Tenorは声楽的な声の軽重から、 レッジェーロ~リリコ~リリコ・スピント~ドラマティコ の4種類に分類できる。(左が軽く柔和で、右に行くほど重くたくましい)

オペラで配役が決まっているならまだしも、合唱団のTenorパートとしては、(もちろんBassもだが) 単一の声種だけでは、到底古今東西の合唱曲群を歌いおおせるはずがない。 叙情的な日本歌曲から、ドラマテッィクなオペラ合唱曲等々まで、 パートとしていろんな声を駆使できて、はじめて表現幅も広がろうというものだ。

きたる第5回演奏会レパートリーに対しても然り。 とりわけ、メロディパートとして重要なTopは、表現力に磨きをかけねば本番で勝負ができぬ。

小団Tenorの諸君にとって失礼かもしれないが、(個人の事ではなく、Tenor全体の話ですよ) 響きがのっぺりとして、声質も軽め、結果レンジ幅も狭い所が大きな弱点である。

単なるファルセットを含め、その裏声に響きをつけ、そこそこ芯のある声はある程度使えるようになってきた。しかし、実声を持ち上げてゆくような、私の焦がれるスピント系の声は、 一番傾向の近かったメンバーがこの春に都合で団を去ってしまって以来、 すっかりなりをひそめているのだ。 (もちろん力業に走りすぎて、支えのない喉声そのものではマズイのだが)

指揮者が何度か、引き出そうと試みたのを知っているが、 全く、対応できなかったか、もしくはかろうじて対応できたにしても著しく堅い喉声となってしまっていた。

技術的には、一番基本のお腹を使えていないということに帰結するわけだが、 この茨の道を避ける方法はないし、それを検索するだけ時間の無駄である。 ドラマティコとまでは言わないが、アクセルを踏んでスピントしてゆく迫力は絶対に欲しいのだ。

技術一辺倒にはならず、歌はハートで勝負だろ!などと、いつの時代でも聞かれる論調だが、 それは技術修練をサボるために、わざと精神論を持ち出して本質をぼかそうとする狡猾な試みに過ぎない。

今後の展望は、Tenor諸君の熟練に依るしかないのだ。 勇気づけられることに、加齢と共に、大抵はは上で示したリリコ→ドラマティコの方向に、声質もやはり変化してゆくというのが通例らしい。 (ただし、継続的に効果的な訓練を続けている場合に限られるわけだが)

折しも、世界陸上が開催中である。 先日は、U・ボルト選手の世界記録更新には世界中が沸いたが、まさに、 鍛え抜かれた身体と、常人の想像を絶するほどのプレッシャーに耐えられる強い精神力のなせる業(技)である。

彼の偉業には、T・ゲイというライバルの存在も大きいだろうが、 なんといっても、血を吐くほどの練習に明け暮れたのだろう。

同様に、我々も鍛え抜かれた声とテクニックを手にすることができたら・・・。 やはり訓練された声は、間違いなく人を惹き付けるものなのである。 社会人合唱団という、ある意味、時間的束縛を受けて、声楽的鍛錬に乏しい集団の発するトーンなど、演奏会プログラムを一瞥すれば、合唱界の住人には大体想像がついてしまうものである。

私はいつの日か、しかもこの合唱後進県群馬の地で、その安易な想像を大きく裏切ってやりたい・・・! という野望を持ち続けているのである。

 

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