ハーモニーの相性

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ハーモニーにも、相性というものがあるものだなぁと、最近、練習で歌っていて、久しぶりにそのことを再認識した。

ホントに、ここ1、2ヶ月のことだったのだ。とにかく、ある特定の団員とがっちりハモるのだ。

最初は、たまたま空虚な五度(私が根音)を、発声練習のあがりに響かせる機会であったのだが、そりゃもう、ビリビリ倍音が鳴るわけ。それだけでなく、何かその響きの中には、一緒に何か閉じられた空間が再現されるかのようで、ある種の残響のようなものさえ伴って聴こえてくるのだ。いや、逆に、何か開放された空間に放り出されたような心境にも似ている気もする。

そして、身体の芯にモロに響くというか・・・とにかく、共振するのである。

当初は、その練習場所の特性か、何かの聞き違い勘違いの類かとも思ったが、今回二回目で、各々が異なる練習場所であったので、間違いないだろう。そして、これは純正五度(完全五度)だと確信。(平均律の五度と大して変わらないのですけどね)

しかし、それはピッチの問題だけではなく、いろんな条件が重なっての僥倖であり、これも、合唱の妙味の一つでもあるかなと思い直しているところだ。

その団員との相性たるや、確実に少し前までは決して良くはなかったはず(極端に言えば、彼はややトーンが暗い傾向で、私は若干上ずり気味)だったのに、現在一体何が起こっているのか。

技術的に上手な人であれば、即座に相手とチューニングができて、やはりそこそこハモるものだが、今回はちょっとそれ以上の感触を得ている。

お互い身体が響き合うといったような体験は、過去に何回か実際に体験している。実は、このあたりに、アマチュアの合唱団が大化けする鍵がありそうだと睨んでいるのだが、驚くべきことに、相手は、たいていが、別段技術的にさほどうまくはない人であったのだ。

しかし、歌いだすと、これがハモるのである。もちろん、もともと声に豊かな倍音を含む感じの地声の持ち主が多く、(ビギナースラックみたいな感じ?)何といっても身体が共振するのが大きいのだろう。

物理学に出てくる、共振周波数がまず最初に思いつく理屈であるけれども、他にどんな理屈が絡んでいるのか・・・。いろんな好条件が重なり、お互いの声質やピッチなど、たまたまも含め、ちょうど「あんばい」がよかったと言ってしまえば身も蓋もないのだけど。

ハモりはまさに水物であり、この響きとの出会いが一過性の場合もあり得るという懸念も手伝い、私はようやく、感じたままを彼に言い出してみた。

結果、彼も同様のことを感じていてくれたのだ。同じように、今までには体験したことの無かった響き方であったと。私はこのときピンと来たものだ。

もちろん、ひじょうに緩慢ながらも、そこにはお互いの技術の向上があったことだろうけど、今回はお互い少なくとも合唱歴だけはベテランの域に入っているので、もうビギナースラックみたいな現象とみるには無理がある。

何よりも重みを感じるのは、彼と共有した時間が今回の現象をもたらしたのではという仮説。

彼と同じ釜の飯を食い始めてもうかなりの年月となる。その間、彼にもいろんな事があったし、私も様々な経験をしてきた。しかし二人とも、男声合唱に魅せられ、切磋琢磨してきたことは事実である。

そんな我々に、別に何かの節目というわけではないけれども、今回のことは、そっと神様が与えてくださったご褒美だと思いたい。

以上、もしかしたらありがちな些細な出来事であっただろうけれども、こういうハモりの一単位が、あたかも脳細胞ネットワークのニューロンのように、多くの団員間で同じようなハモりの絆が広がって、まえだんのメンタルハーモニーに昇華していってくれたらいいなぁと思う次第。

 

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