今年の夏は、「残暑厳しく・・・」などといった、時候の挨拶を実感をこめて交わすことが少なかった様に思う。
確かに、ここ群馬県も、8月も下旬に入ってからは雲が多く、ぱたりと、真夏日の最高気温を記録することがなくなってしまった。おかげで、夏を惜しむ間もなく、唐突に秋がやってきた感じがしている。
さて、そんな天候の8月末であったが、11月15日に演奏機会を控えた我々前橋男声。実施まで三ヶ月を切った中、8月30日(土)から31日(日)にかけて、満を持して強化合宿を張ることとなった。
今年の合宿会場は、高崎市倉渕町の「はまゆう山荘」だ。 かれこれ10年以上前、2003年と2004年の二回ほど、 やはり強化合宿会場として利用させていただいたことがあるのだが、結果、かなり久しぶりの推参という事になった。
ただ、メンバーの大半が入れ替わっており、初めて訪れる者がほとんどであったが、道に迷う者もなく、無事全員集合できたようだ。
初日は13時前に現地集合し点呼の後、早速練習会場である体育館で体操と発声練習を行う。 当たり前だが、天井が高い。(天井サーブがちゃんと打てそうな高さです) そして、響きは拡散しやすく、残響も長め。(これも当たり前)
コートの両端にテナー系とベース系に分かれて声出しを。 しかし、普段の発声練習ではイメージするしかない遠くに声を届ける感覚というものも、 この日は、実際に肌で感じながら実践するメリットは大いにあるはずだ。
一時間あまり、いつもとはちょっと異なるメニューをこなし、14時過ぎから全体アンサンブルへと移っていく。
現在我々が取り組む2つの組曲、 すなわち、「花に寄せて」と 「Robert Shaw Choral Album」を、 この二日間は徹底的に歌い込んでゆくことになる。
「Robert Shaw…」では、ソリストも決定し、曲順を除いて、小曲群の輪郭も明確となった。
曲の性格も全く異なるこの二曲をコントロールしながら歌いきるのは、我々素人にはなかなかハードルが高いという事実は認識している。
しかし、両曲とも、時には意志の強いメッセージを心に秘めて高唱したり、はたまた、壊れそうなくらい繊細な糸を紡いでゆくような歌い方だったり・・・とにかく、強弱緩急だけでなく、硬軟両様のテクニックが求められる。(だからこその男声合唱であるべきなのだが!)
それは、あたかも、我々の人間性を試しているのではないかとさえ思えてくる。
もちろん、指揮者はそこを見透かしてか否か、技術的にも内省的にも我々に覚醒を矢継ぎ早に求めてくるが、悲しいかな、組織として、引き出しを構築しきっていない段階。
以前より、一定の高みに近づいたのは、指揮者がこうして五月蠅いくらいに(失礼!)指摘してくることから、歌い手側もおぼろげながらも体感は出来てはいるが、まだまだ、残された時間で濃厚な精進が必要だろう。
さても、現地は標高約800mの地。しかも、この曇天続きで、当然気温も低めであり、
日も傾くと、それまでの涼感の心地よさが、やや背筋を刺し始めるから不思議だ。練習時間も終わりに近づく17時前には、半袖姿で歌い続けるメンバーは、傍目にも寒そうであった。
こうして、技術的に困難な指摘や、我々の内面に問いかける、シビアな練習内容であり、初日からやや飛ばし気味の筆者であったが、あっという間に、時間が過ぎてしまった印象を受けた。(こんな感覚、一年に何度もないのですけどね)
(その2)へつづく
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