第66回群馬県合唱祭に参加して(その3)

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(その2)に続いて、本年10月16日の第66回群馬県合唱祭について。


(見出し)
#1.主催者がプログラム記載の曲名を勝手に改変
#2.ステージ並びのバミリが距離不足
  (全日本ガイドライン)
#3.作詞と作詩の混在混同



(詳細)
#2.ステージ並びのバミリが距離不足(全日本ガイドライン)

3年振りに開催された群馬県合唱祭だが、コロナ禍での合唱活動を継続してゆくための一定の方針(合唱活動における新型コロナウイルス感染症拡大防止のガイドライン=以下「ガイドライン」という。)が全日本合唱連盟から出ているのは皆様もご存知だろう。

今回の第66回群馬県合唱祭では演奏時のマスク着用非着用は合唱団の任意とされ、演奏時の並び方に関し、45名の市松模様を前提とした舞台図(冒頭の画像)が、参加合唱団に事前配付されたところ。そこには想定される歌い手の中心間距離も明記され、バミリの位置についても各平台の板目単位に付番がなされるなど、なかなかの精巧な舞台設計となっており、これを見た小生は感心することしきりだった。したがって、当初は「ガイドライン」に準拠したものと漠然と受け取っていた。

しかし、検証するに決してそうではなく、先刻の感心はぬか喜びであり、自らの思い込みを恥じることとなったのである。全くもって、本番以前にこの検証ができなかっことは痛恨事であった。そして、ともすると幾多の合唱団員を感染症への危険にさらしたという疑いも拭いきれないのではないか。

さて、この舞台図には下の画像のように、人の中心間距離として、各方向別の距離が明記されている。

しかし、「ガイドライン」本文での該当記述(下の画像=ただし着色は筆者による)はこうだ。

参考に、「ガイドライン」の参考図的な位置付けである「感染拡大対策時の合唱団並び例図」を掲げておく。

以下に、「ガイドライン」と群馬県合唱祭運用の比較をしてみる。どうやら、左右方向以外は、「ガイドライン」記載の数値を下回る距離だったようだ。

  ガイドライン 群馬県合唱祭 評価 備考
左右方向
距離
1m程度 1.2m OK!  
斜め前後方
の距離
1.5m程度
(最低1.2m)
1.1m OUT 「最低1.2m」に抵触
前方距離 2m程度 1.8m OUT 1.8mが「2.0m程度」という表現の範囲内との強弁も可能かも?

以上より、今回の第66回群馬県合唱祭では、必ずしも「ガイドライン」に準拠していないことが明らかになった。

ただし、このほか、リハーサル時やステージ外での行動については、おおむね「ガイドライン」に準拠していたものと実際に参加した者として体感してはいる。

本稿で引用した「ガイドライン」は現在最新の第3.1版(2022.1.24付)のもので、その総論の中に“現時点で実施もしくは考慮すべき、アマチュアの合唱活動における新型コロナウイルス感染症の拡大防止についての基本的事項を示したもの”との記述(p.1冒頭)があるように、我々合唱団が最も依拠し信頼すべき公式文書だろう。それを敢えて準拠せずに参加合唱団の歌唱時の並び方を決定した根拠について、主催者である群馬県合唱連盟または(公財)群馬県教育文化事業団の見解を伺いたいと考えている。そして、どのような意思決定過程でこれがなされたのか。

もちろん、「ガイドライン」の総論には“新型コロナウイルス感染症の感染状況は、地域、年代、属性等によって様々です。またこの感染症が、今後どのように変化し、社会生活にどのような影響を及ぼすのか、 その時々の地域の状況を見極めて行動する必要があり”(以下略)(p.1)とあるように、もし群馬県地方特有の事情が背景にあったのであれば、ぜひそれをお示し頂きたい。

また、同じく総論部には、「ガイドライン」記載の距離数値決定に当たっては演奏環境により異なる旨留保が付けられている(p.4中段)ところであるが、今回の“藤岡市みかぼみらい館大ホール”という演奏会場、演奏環境をいったいどのように独自に評価し、人との中心間距離を定めたというのか、ぜひとも根拠をご開示頂ければ幸いである。

最後に、この合唱祭に参加した合唱団の数を、抱える団員数ごとに以下のように棒グラフにしてみた。プログラムによるオンステ人数を信頼すれば、39団体で628人が参加している。平均は1団体あたり16.1人。グラフの中で目を引くのは、46人以上を擁する1団体である。

くだんの舞台図は、45人がオンステすることを前提に設計されており(なぜ46人でなかったかは不知)、結果として46人を擁するこのたった1団体に配慮して密な共通フォーメーションが導き出されたとも言えるのではないか。ほとんどの合唱団が30人を超えない中、この1団体のために、残りの38団体が「ガイドライン」に抵触する形でのオンステを強いられたのではないかと、穿った見方も可能になってくるわけで。(仮に、最大30人オンステであれば、ゆうに「ガイドライン」準拠の舞台設計は可能であったろう。)

参考までに東京都合唱祭では、「ガイドライン」準拠を最優先事項(しかも斜め方向は1.2mではなく1.5m)として舞台設計を行い、これによってオンステ可能人数の上限を算出している。そして、この上限を超える団体については、別途相談する形をとっている。(ここから先は想像だが、上限を超える団体はオンステ人数を限るか、マスクを着用させるか、想定外の立ち位置で歌わせる等の運用を選択することになるのだろう。)全く合理的だと考える所以である。

群馬県合唱祭では考え方が真逆なので、例えばこの東京都合唱祭を参考に合唱祭の開催目的から考え直して、再整理すべきではないか。

以上が2つ目の話でした。

(その4)へ続く。。。

 

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