【その2】からの続き…
さて、「上州うた合戦」。参加11団体がそれぞれ個性豊かな単独ステージを披露し、さらに有志による合同ステージも加わって、約3時間にわたる秋の祭典は大成功のうちに幕を閉じた。その意義については改めて論じたいが、群馬の合唱界にとって歴史的な一日となったのではないかと、胸の高鳴りを抑えきれない。
(アイキャッチ画像は、終演後の先生方のスナップ♡)
本番終了後には、参加団体同士が交流できる企画が用意されていた。昭和生まれのオッサン達にとって「歌ったらビール!」は条件反射のようなもの。歌い終わった瞬間から喉が乾き、身体がビールを待ちわびてしまう。実のところ、待ちきれずにフライングで別会計の一杯を引っかけてしまったのはここだけの話だ。
そして、待望の乾杯。イベントを取り仕切った〈うた日和〉代表・山根良太氏の発声で宴が始まる。あぁ、この瞬間こそ至福。苦しい練習を重ねた日々が報われる瞬間でもある。初めて顔を合わせる他団の仲間と杯を交わし、笑顔が弾ける。
その時ふと気づかされる。我々はやはり、こうした「合唱人同士の交流」を求めていたのだと。年齢も性別も違う。しかし、これほど多くの「歌いたがり」(失礼!)が一堂に会する機会は滅多にない。
話は尽きず、群馬というローカルでつながる人間模様が浮かび上がる。実は職場が一緒だった、取引先の担当者を互いに知っていた、などなど。ネットワークが二重三重に広がっていく感覚だ。大学生の就職活動の悩みに耳を傾けたり、コンクールに挑む団員の熱い思いに触れたりと、語らいは尽きない。時間はあっという間に過ぎていく。
もちろん交流は言葉だけでなく、歌でも。自然発生的に男声合唱や混声合唱が響き始める。新しい音色、非日常のハーモニー。この一瞬のために歌ってきたのだと思えるほど、かけがえのない体験であった。
ここで思い出したのが群馬県合唱連盟の規約である。
第二章 目的及び事業
第2条 本連盟は合唱活動を通じて音楽文化の普及振興に資することを目的とし、会員相互の親睦を図る。
第3条 本連盟は、前条の目的を果たすため、次の事業を行う。
(1) 演奏会・研究会・コンクール等の開催
(2) 加盟団体相互の連絡・情報交換・レクリエーションその他必要と認められる事業
……今、この規約に記された「目的」を真に果たしているイベントは、むしろ「上州うた合戦」だけではないか?
普段、合唱祭にしか参加していない小団にとって、この思いを強く抱くのは自然なことだった。(この件についてはいずれ別稿で詳述したい。)
こうして予定の2時間はあっという間に過ぎ、交流会は盛会裡におひらきとなり、「上州うた合戦」は大団円を迎えた。
……しかし、ここで終わらない。「まだ全然呑んでねぇし!ここからが本番だんべや!」と叫ぶ猛者たちは、迷うことなく二次会場へダッシュ。前橋駅前の某「○○の舞」へ急行する。その中には先生方も半数近く含まれていた。
記憶は定かでないが、二次会が始まったのは20時半頃。筆者も半ば酩酊しつつ参加したが、その後に繰り広げられた合唱論・音楽論・コンクール論・組織論の熱量は尋常ではなかった。詳細は控えるが、誰もが合唱に賭ける思いを持ち、合唱後進県と呼ばれる群馬だからこそ語り合える議論があった。幅広く、そして深く話題が飛び交い、終宴は午前1時。
何とも濃密で有意義な一日であった。
多分、【その4】に続く。
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