オルフェイ・ドレンガー(スウェーデン王立男声合唱団)アジアツアー2010 

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10月 102010
 

2010年10月9日(土)。 待望の標記演奏会行って参りました。

1984年、2005年以来の三度目の来日。 場所は東京オペラシティコンサートホール。私は初めてオペラシティを訪れたのだが、京王新線と直結していて、 この日は雨模様だったのにもかかわらず、全く傘を差す必要もなく、会場へ到着できた次第。

開場前にオペラシティをぶらぶらしていると、前橋男声のメンバー二人ばかりと行き会う。やっぱ来てたんだねぇ・・・と、ニヤニヤしながら挨拶を交わす。

私は二階席に陣取ったが、ホールの天井がたいそう高く、一番上は錐形になって閉じている。 こんなので響くのかと思ったが、元々残響には定評のあるホールであり、 それは間もなく私の前で実演され実証されることになるのだ。プログラム(パンフ)は売りで500円。 では、ラインナップを。

ベルマン: OD賛歌 CARL MICHAEL BELLMAN: Hör i Orphei drängar
アルヴェーン: 夕べ HUGO ALFVÉN: Aftonen
ボッシ: イル・ブリヴィド M ENRICO BOSSI: Il Brivido
シューベルト: ゴンドラを漕ぐ人 FRANS SCHUBERT: Der Gondelfahrer
チルコット: ニュートン作アメ-ジンググレイス BOB CHILCOTT: Newton’s amazing grace
トルミス: 幼き頃の思い出 VELJO TORMIS: Helletused
ヒルボルイ: 子守唄 ANDERS HILLBORG: A cradle song
ペッテション・ベリエル: 「マリットの歌」から WILHELM PETERSON-BERGER: from Marits visor
「山羊よ、坊やのところまで 」I Kom bukken til gutten
「私が好きなら 」III Holder du af mig
ジェレミアス:オストラーヴァOTAKAR JEREMIAŠ: Ostrava

–休憩 —

サプライズ曲:????
プーランク: アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り FRANCIS POULENC:  Quatre petites prières de François d’Assise
サンドストレム: カオヤイの歌う猿たち JAN SANDSTRÖM:  The singing apes of Khao Yai
ラフマニノフ: ヴォカリーズ SERGEI RACHMANINOFF:  Vocalise
ベッリーニ: オペラ「清教徒」から「エルヴィラノマリア」 VINCENZO BELLINI:  Elvira’s Aria (from I puritani)
ロシーニ: オペラ「オリー伯爵」から 「飲もう!早いとこ飲もう」 GIOACCHINO ROSSINI:  Buvons! (from Le comte Ory)

団歌とも言うべき”OD賛歌”でコンサートの幕が上がる。(実際には幕はありませんでしたが) 総勢85名のタキシードに正装した合唱団。

以前、録画をテレビで見た際、ここでも書いたのだが、 聴かせるのは、決して筋肉質張らない、透明感あふれるクールなハーモニー。 日本の男声合唱団に見られがちの「ぶっ放し系」ではないことは確かだ。

たどたどしい日本語で演奏会を進行するMCからは、一所懸命さがにじみだし、 会場からは惜しみない拍手が送られる。 途中からは結局、やはり英語に変わってしまったのですがね・・・。お家芸のアルヴェーン を繰り出すあたりでは、既に客の大部分を虜にしてしまっていた。

2008年就任の女性指揮者はセシリア・リュディンゲー・アーリン。 ODを率いてまだ間もないわけだが、よく男共を統御している。 堂々たる指揮っぷりは男性指揮者と互角かそれ以上だろう。 大きなダイナミクスを引き出す瞬間は、閃光がほとばしるようであった。

しかし、気になったのは、指揮する後ろ姿では左右対称となる時間が長かった点。 (歌い手から見たら何かが違うのかも知れないが・・・) そこは音楽が若干間延びしたり、単調に感じられて残念であった。

織りなすハーモニーはきらきらと輝くよう。 私が注目していた点は、ユニゾンがどのように聞こえるかだった。

過度な期待により、私が勝手に前のめりに聴き過ぎていたきらいがあったのかも知れないが、ユニゾンで聞こえるべき倍音の重なり具合と言おうか、その精妙さは今ひとつに思えた。

それでも、楽しい音楽の時間はあっという間に過ぎてゆく。途中の山場は、ラフマニノフのヴォーカリーズ。ソプラノソロが奏でる有名な一節が鳴り響くと、会場は水を打ったように息を呑む。染み出るようにコーラスが旋律にまとわりついてゆくと、 まるで蒼く深い湖の奥底に引き込まれてゆくようだ。ただ、ラフマニノフの陰鬱な響きには、ODの明るいトーンはミスマッチのように感じた。

ソプラノのエリン・ロンボは当然今回初めて聴くわけだが、 そんじょそこらのオペラ歌手っぽくなく、好演。 こういう方々は、普通はピッチをかなり高めに設定して歌ってくるものだが予想は裏切られた。 それが意外で、逆にこのラフマニノフには上手くはまっていたのだと思う。

さて、途中、サプライズの時間もあって、(ネタバレになるので、敢えて伏せておくが) エンターテイメントとしての演出にも余念がない。私にとってこの日の最高の演奏と思われたのが、サプライズの二曲目。 何という曲名なのだろう。 ピアニッシモが消え入る曲が閉じられるのだが、 指揮者の腕が下ろされると、会場内は長い溜息のあと、結構な数のBravoが掛かっていた。

総じて、80人を超える人数にしては、迫力は今ひとつ。 テナーはほとんどスピントさせることなく、
また、ベースも決して胸声で押しまくることもしないから、野趣という要素には乏しい。

日本の男声合唱団でありがちな、一種独特の音圧感を期待していた方には物足りなかったろう。しかし、まさにクール・ビューティとでも形容すべき良質なハーモニーが終始鳴り響き、ユーモアたっぷりなご機嫌なステージ進行も加わり、 その上、どんな曲でもサラッとクールに歌ってしまうという、そのナチュラルさといったら!

まさにスタイリッシュな、お上品な合唱団によるスマートな演奏会でございました・・・。 この日の模様は、いずれNHKで放映されるようなので、要チェックですな!

《オルフェイ・ドレンガー・今後のアジアツアーの予定》
10月10日          大阪アフタヌーン公演 (ザ・シンフォニーホール)
10月11日          北九州国際音楽祭マチネー公演 (北九州 響ホール)
10月12日          松本市公演 (長野県松本文化会館)
10月13日          東京、昭和女子大学公演
10月14日          北京パフォーミングアーツ国立センター公演
10月17日          上海タイムズ・スクエアー公演
10月18日          上海EXPO 2010公演―「スウェーデンの上海EXPO 2010参画委員会」との共同公演
10月21日          シンガポール、エスプラナデ公演

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