第4回演奏会が終了!(その2)

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11月 242007
 

(その1)からの続き

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第2ステージ 男声合唱組曲「吹雪の街を」

基本的に「女々しい」詩である。
もちろん、そういう皮相的な見方は、詩と曲の本質を突いてはいないが、
いつの時代も、女々しい男は存在するものである。

また、男として、女々しい時期があるとも言えるのではないか。
感傷を好む時期・・・すなわち、男の思春期はとかく女々しいと筆者は思う。
そして我々はそう いう時期をかつて確実に経験し、今も温めているのだ。

年を重ねてきた今だからこそ、多感な頃というものは美しく心の中に輝いている。
本演奏会アンケートに おいて、たくさんのお客様からこの第二ステージに賞賛の声をいただいた。
それは年輩のお客様に圧倒的に多く、逆に若年者の心に響かなかったということ。
そこは意外でもあり、同時に腑に落ちた点でもあったのだ。

ステージはというと、小曲単位でのコメントは控えるが、
好評にもかかわらず敢えて自らを戒める意味以上に、ありのままに評してみたい。

ボリュームとして は、総じてB多T少という人数バランスによるメリットがデメリットを上回り、
面目を保った結果となったが、第一ステージの疲労を引きずっているわけでもな かろうに、
息のコントロールを喉だけに頼る雰囲気が、冒頭から散見され、
やがて個人レベルからパートレベルへと拡散してゆく。

おまけに、ここ第二ステージ に至って、前橋男声全体に何か不穏な空気が覆い始めていたのか、
明らかに指揮を見ていなかったり、パートソロの入りがバラけるなどという凡ミスや、
練習中 指揮者から何度も注意された大根役者級の棒読みは、
ついにこの本番でも根絶されず、曲としての精度を下げてゆく。

B系を中心にこういった混乱がまま見られ、これは冒頭「忍路」から二曲目「また月夜」でも収まらない。
特に二曲目はB系の二パートによるパートソロが多用されたにもかかわらず、
なかなか一体性 を回復できなかったことは、
必然的に、三曲目の「夏になれば」にその影響を引きずる結果となった。

日本語に使用言語が変わって注意力が弛緩したか、
音量が大きいからこそ、その罪は大きいとも言えるB系のカタい声が終始支配する展開。
それに対抗し得ない 響きの枯渇著しいT系。

曲が進むにつれ、
このアンバランスさを修正しようとする個人レベルからパートレベルでの動きが当然出てくる。

時には指揮者からの急場しのぎのサジェスチョンが該当パートに向かってゆくが、
ことごとくが不発または失敗に終わる有様。
その様子が更に曲を無表情にしてゆく。

しかし、その状 況自体に今まで気づかずに歌い続けた者達がようやく重い腰を上げ、
ユニゾンの多い四曲目「秋の恋人」あたりで、
感情を注入しやすいフレーズを歌うB系を先 頭に立ち直りへと転じ、合唱団が求心力を取り戻してゆく。

「夜の霰」という激しく乱高下するコーナーワークを、
あたかも足に重りを曳きずりながら喘ぎ喘ぎ 頂上を目指すようではあったが、
何とか生色を取り戻し、タイトル曲としての終曲へと無事収束できたことは幸いであった。

しかし、そのカタさを伴ったある種融和を拒絶するようなB系のトーンは、
この曲を構成する全ての響きや和音を支配することとなり、
組曲の性格上、その柔 軟性が大いに損なわれたは痛恨事であった。

第二ステージ・・・、歌う環境に少し慣れたところで集中力が落ちるという、
ありがちなポケットに簡単にはまってしまったことで、
かつて華やかなステージ を幾度も踏んだ試合巧者揃いであったとしても、
いかに現場を支配する空気やストイックなルーチンワークが重要であるか、
そして、いかに通常の練習時間を全 員で共有してゆくかという最も基本的な地点に還ってゆくしかない。
地力というまさに、基礎的な体力がものを言ったステージであったのだ。

(第 2.5ステージ)
 第1回演奏会以来、続けているいわ ゆる企画ものステージ。
ネタの枯渇というよりは、本割りステージの準備に多くの時間と労力が割かれることとなり、
今回は全く余裕が無く、やはりパート紹介ステージと相成った。

元NHKアナウン サーの松本律子氏(旧姓;中曽根)をゲストMCに迎え、
お馴染み「上を向いて歩こう」を披露。

ただ、譜持ちであり、前橋男声として何かを吹っ切った上での会心の一撃!
というレベルまで空気を変えることはできず仕舞。

プログラムの印象に堅苦しさを孕む以上、このような企画は続けていきたいが、
今後は更に準備万端とし、お客様にとって意義のある時間となるよう考えていきたい。

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第 3ステージ 「ふるさとの四季」
源田俊一郎編曲の、季節感あふれるメドレー曲。
演奏 会 パンフにも書いたが、このメドレーは単なる唱歌の寄せ集めという枠にとどまらないのは、
ひとえに編曲の素晴らしさの所以である。

間奏としてのピアノソロ が、場面展開の役割を果たしているのは言うまでもないが、
小曲に内包されている次の季節への気配というものが、
編曲者によって見事にアレンジされていることである。

インターミッションと2.5ステージを経過し、肉体 的にも精神的にも随分リラックスしてきてはいる筈だ。
しかし、まだまだ第2ステージ同様、B系の声のカタさが耳に一々引っかかるところだったが、
ピアノが それを隠蔽することも多く、元々B系がひとまとまりとして設計されている部分が多いこともあり、
実害は最小限に抑えられたのではないか。

なおかつ、このようなB系に対し響きの薄いT系が主張せず主旋律ラインをなぞる様子は、
通常練習中における指揮者による絶妙なバランス・コントロールが結実したものであ り、
本曲中にも随所に見られ、録音メディアでも確認できる。

しかしながら、見逃せない綻びもまた挙げればきりが なく、
それは小団が技倆的に発展途上であることを実証する種類のものばかりであり、
大抵それは、全ステージ通して共通の類のものである。
既にお読みいただ いたように、第二ステージ評で出し尽くした感もあり、ここでは繰り返さない。

手前味噌ながら、今回特筆すべきはロングトーンにおいて、カンニングブレスが上達したことだ。
自然なディミヌエンドによる収束は聴いていて何とも心地よい。
全員で為せば成るというまさに好例であろう。

第3回演奏会から約3年半の月日が流れた。
その間、団員が13名から22名へと増え、確実に表現可能なレンジ幅は拡大したことだろう。
反面、各種イベン トへの参加や賛助などで、自前演奏会への足取りが重くなってしまったことも事実である。

それだけでなく、団員増による熟度の希釈化により、時間が必要で あったということが最も大きい。
それは今考えれば、いろんな要素が混沌とした時期でもあった。
古い物が壊され、汚れが洗い流されて、新しい何かが誕生する過程。
今後前橋男声が歩んでゆくために必要な時間であったのだと思う。

小団は団名として「前橋」という冠をかぶっているように、
創団時から間もなくまでは前橋エリアの地域性の濃い音楽サークルとしての性格を帯びていたもの だが、
それも無実化され、構成メンバーは群馬県下だけにとどまらず、埼玉県北部からも人材を得ている。

第3回演奏会までは前橋市内を演奏会場としてきた が、
今回、初めて前橋市域外で本演奏会を実施したことは、
小団が全県的な地域性を持ち更に広域性を包含した音楽集団であることを、内外に宣言するという意義もあったのだ。

また、演奏会では社会福祉法人「豊生会」様をはじめ、たくさんの方々から贈り物を頂戴した。
何かと男臭く、気の利かない催しになりがちなところ、
華やか なコンサートに仕上げていただき、心より感謝申し上げる次第である。

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第4回演奏会が終了!(その1)

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11月 232007
 
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開演前に全員で記念写真を・・・

11月17日(土)、 小団第4回演奏会が行われた。

無事、滞りなく各ステージを歌い通すことができたのは、
約400名のお客様のご来場に奮い立たせていただいたところが大きい。
まずは、ご多忙中にもかかわらず、遠路お越し頂いた皆様に心より感謝申し上げる次第です。
(行き届かない点が多々あったかと思いますが、なにとぞご容 赦下さい)

本演奏会でのラインナップはリーフレットでの掲載順とは異なり、
 第1ステージが”Traditional Spirituals”
 第2ステージが「吹雪の街を」
  そしてインターミッションを挟んで
 第3ステージが「ふるさとの四季」
という順番。

全般として、よく響くホールの残響に助けられた。
客入りにより、ステージ練習時に比べて、当然残響時間は縮まることとなるが、
それでも十分に残響を味方 につけることができたようだ。
にしきのホールの残響は、まさに秀逸である。

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第1ステージ「Traditional Spirituals」

団員からレパとしての要望の高かった「宗教曲」の一環として採用された。
レパ検討時に当時在籍した団員が「ニグロは歌い尽くした」と豪語。
これに指揮者 がカチンときたことがレパへの正式採用の契機という噂がある。

この曲は、指揮者の日本女子大学合唱団時代、
当時の早稲田大学グリークラブ(福永陽一郎指 揮)が歌った珠玉の名曲達。
団としても、過去二回の合唱祭に単品でのせる等、着々と布石を打ってきた。

“Soon Ah Will Be Done”を除いては、往年のエール大学指揮者Fenno Heathの渾身の名編曲集と相成った。
曲の質の高さには目を見張るものがあるが、コンサータイズされたいわゆるSpiritualsの中では、
一つの高 みを得た完成形といえるであろう。

そこにピアノ伴奏曲を第一曲と終曲に持ってくる指揮者の心憎さ。
“Sometimes I Feel Like a Motherless Child”で、
黄昏の色彩を感じさせるような上原さんのピアノが流れ、我々の第一声。

心の奥に烈しさを隠しながらも静かにステージの幕が開く。
その割に は、冒頭のユニゾンの音量がやや大きめに推移したことは残念であった。
そして中間でア・カペラに転じた一瞬の静寂を破り、”Never been born!”の絶叫が心を揺さぶる。

二曲目の”Guide My Head”。
冒頭のベース系ソロは出色。
過去最高の響きが本番で現出した。

それに導かれるテナー系も朗々と続き、バスソロによる主題再現が始まると、
ハミング・アンサンブルが縦にきしむなど、若干精彩さを欠いた部分があったが、
トップの力まずに寄り添うことを徹底したフレージングや、音取りに苦しんだセカ ンドを中心に健闘が光った。
そして転調後のコーダに向け音楽が走ってゆくが、スタミナ切れと、
奥行きさを失った平坦な声で高揚感が失速してしまったことは 今後の課題となろう。

このようなこともあり、続く”My Lord What a Mornin'”演奏直前は、
指揮者が間を取ることにより、空気を修正することが意図された。
しかし、曲の始まりがベース系にとってはやや高いB4という こともあり、
前曲ほど、ベース系全員のタイミングは合わなかったようだ。

これに影響されたか、テナー系も前曲ほどの輝きを失い、母音の狭さが目立ち始め、
破綻しないまでも、歌としての余裕のなさが全体として漂い始める。
転調後、ソロが主題を奏で始めると、並行五度や並行八度をはじめとする前衛的なハミング がドライブ感を高め、
曲としてのスリリングさを生んでゆくが、パートがそれぞれ力業に走ったり、平坦な声が目立ったり、
その勢いは度々削がれてしまったの は基本的技倆不足以外の何物でもない。
歌い手の基礎的技術と純粋なまでの音楽的センスが試される曲ではあった。

“Soon Ah Will Be Done”。
かつて、ニグロを歌い尽くしたかのように豪語した元団員への面当てではないだろうと思うが、ここに来てこの曲とは!
まさに、合唱は体力と精神 力頼みであることを実感した。
この曲を歌うと、あらゆる波長の波濤が砕け散るような衝動感の中、私の中で叫喚と空虚が交錯する。

一曲歌う毎に、私の内面の 膜が薄く剥がれ落ちてゆくようだ。なんという消耗戦。
フュエルメータがエンプティの近くを指し示す中、最
後のコーダで(!?)I’m Goin’ to live wid Godのくだりをようやくひねり出す。まだまだヒヨっ子であるなぁ。

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そして、”He’s Got the Whole World In His Hands”。
一曲目と同じく、音色がやや物憂げな雰囲気を醸し出しながらも、優しく静かにピアノが語りかけてくる。
四曲目までにフィジカルな部分をすり 減らした私にとっては、美しく癒されるべきメロディであるべきだが、
指揮者の意図は全く別なところにある。

更なる精神力、技術力が求められ、
ピアノ系で抑 制されたフレーズを各パートがユニゾン化しながら歌い継いでゆくという難曲。

中盤ではやはり、ア・カペラに転じ、
終曲の疲れから集中力を失うアンサンブルには容赦なく合唱団のメッキを剥いでゆく。
特に信仰心の希薄な歌唱は単なる平坦な一曲に成り下がらざるを得ない。

とどめは最後のロングトーン。
できるならこ のまま、このロングトーンで逝きたいと何度か思ったものだ。
このステージを経験しては、「歌い尽くす」などという言葉を今後は軽々しく口にできないことだ ろう。
 
(その2)につづく

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