チャイコフスキーを聴く(その1)

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3月 272009
 

現在、前橋男声合唱団ではチャイコフスキー歌曲集に取り組んでいますので、
お節介にも、チャイコフスキーの楽曲を紹介しようと思い立ったのですが、
「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」や「弦楽セレナード」といった小物(?)じゃつまらないです。

やはりここは交響曲ですよねぇ。(いきなりかよ?)

交響曲だなんて言葉を聞くと堅苦しくて、
気楽に聞けないなどと思いこんでいる向きも多いかと思いますが、
いいっすよー、チャイコフスキーの交響曲は。

クラシック音楽に付き物(?)と思われがちな、音楽的知識などは不要です。
いいもんはいい。
これでけでいいじゃぁないですか。

メロディメーカーの異名を取るチャイコフスキーだから、
幾多の交響曲の中では聴きやすい方かと。
一曲聴き終えると、とあるメロディが耳に残って口ずさめるほど。

しっかし、弦楽器の調べは、ほんと、我々の声の響きに似てますね。
一緒に歌うと、同化して共鳴するのがわかります。(特にヴィオラやチェロ)
歌い方などでも、大いに参考になります。

さて、チャイコフスキーの交響曲は一般には6曲。
すなわち、第6番まで。

そのうち演奏機会が多いのは、4番〜6番の三曲。
なかでも、5・6番が、大半を占めるのでは?
今回聴くのは、交響曲第6番「悲愴」。
動画付きで聴きたければ、たとえばYouTubeで検索すればすぐにわかります。

演奏はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。指揮は小澤征爾。
もちろん、コンマスはこの三月で退任する安永氏。

あまりこういう言い方は好きではないが、はっきり言って暗いです。(汗)
第4楽章なんか、漆黒の闇に突き落とされるようです。

呻くような旋律で始まる第一楽章冒頭部。
しかし、やがて奏で始められる印象的なメロディ。
とうの昔に知っていたような甘美で懐かしい旋律。
後期ロマン主義の真骨頂であるとも言えます。
(確かに、昔、ネスカフェかなんかのCMで岩城宏之氏が”違いの分かる男”として出ていた際に、
 バックで流れていたのは、この旋律だったような・・・)

この束の間の耽美的な時間も、突然、雷鳴のように始まる強奏で打ち消され、
嵐のようにチャイコフスキーの苦悶がぶちまけられるも、
やがて再び例の甘美なメロディが再現されますが、
もうそれは、先刻のような耽美的なものではなくなっています。
そして、静かに楽章は閉じられます。

第二楽章は、4分の5拍子という、ロシア民謡独特の変拍子で構成される、軽快で優美なもの。
苦悩するチャイコフスキーが、気を紛らわすために、あたかも舞踏会を催しているかのよう。

刹那的な楽しさにうつつを抜かしても、時折のぞく不安の影は拭いきれません。
そして、各楽器のソロが交代で奏でられ、まるで舞踏会の客が一人一人去ってゆくようです。
やがて、最後の客が去ってゆくと、そこには再び孤独が訪れるのです。

第三楽章は、一見行進曲のよう。
時には好戦的な表情を見せながら、終始ハイテンションの中演奏され、ラストは強奏のまま終了。
第四楽章の意外性を思うとき、単なる「活力」や「戦闘意欲」の現れというだけではなく、
巧妙なチャイコフスキーの戦略という要素も無視できません。

そして終楽章。 ラメントーソ(悲しげに)という指定のとおり、悲痛な色調で始まる緩徐楽章。
交響曲の終楽章としては異例のゆるやかなテンポ。
悲痛な序奏部は、聴き手の感情を一気に陰鬱なものへと変えるでしょう。

第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンが交互に奏でる美しくも悲しい旋律に、
ホルンの三連音が絡んで、曲調が最高潮に盛り上がってゆきます。

しかし、こうした慰めのひと時も、
やがてチャイコフスキーの煩悶の極みとでも言うべき感情で埋め尽くされ、
悲哀が絶望に変わる瞬間を迎えます。

銅鑼が静かに鳴り響くと、金管によるとぎれとぎれの四重奏となり、
最後は、コントラバスが力尽きるように深淵の中に消えてゆきます・・・。

演奏会でこの曲が取り上げられると、拍手のタイミングに困るんだよな〜
(困ること自体、曲に没頭していない証拠かも知れませんが・・・汗)

本曲は決してネクラな曲ではなく、
暗澹たる底からしか見えない、明るい将来への希望というものを、 歌っているのだと思います。

何かに落ち込んだときなど、あまり憂鬱な曲は良くないと思われがちですが、
癒しの効果もあることが近年わかってきているようです。
ですので、そんな時、オススメしたい一曲でもあります。

ちなみに、私が聴いたのは下記のCD。

 往年の大マエストロ・ムラヴィンスキーによる統制の行き届いた演奏。
4番、5番、6番と三曲が収録され、お得かも。

○演奏:レニングラード・ハーモニー管弦楽団
○指揮:エフゲニー・ムラヴィンスキー
○録音:1960年11月7〜9日
○レーベル:ドイツ・グラモフォン

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