「あしたのジョー」名シーン集(その1)

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今度、アニメソングで取り上げる「あしたのジョー」では、心に残っているシーンが結構ある。
私信モードで恐縮だが、紹介したい。(実はネタなのですけどね・・・)

今回は、ジョーが寝泊まりする丹下ジムの近所に「紀ちゃん」という女性と、主人公=矢吹丈の会話である。
この紀ちゃんは、泪橋(なみだばし)の林食料品店の看板娘で、林紀子が本名。
密かにジョーに思いを寄せいているのだが、物語の主題に迫る重要な核心シーンの一つである。
(以下、長くてスミマセンが、赤字が紀ちゃん緑字が矢吹丈のセリフ)

「矢吹くんは・・・・さみしくないの?同じ年頃の青年が海に山に恋人と連れ立って青春を謳歌しているというのに」 

「・・・」

「矢吹くんときたら、来る日も来る日も汗とワセリンと松ヤニのにおいがただよう薄暗いジムに閉じこもって縄跳びをしたり、柔軟体操をしたり、シャドーボクシングをしたり、サンドバックをたたいたり・・・たまに明るいところに出るかと思えば、そこはまぶしいほどの照明に照らされたリングという檻の中・・・。たばこの煙が立ち込めた試合場で酔っ払ったお客にヤジられ、座布団を投げつけられながら闘鶏や闘犬みたいに血だらけになって殴り合うだけの生活・・・しかも身体はまだどんどん大きく伸びようとしているのに体重を抑えるために食べたいものも食べず、飲みたいものも飲まず・・・惨めだわ、悲惨だわ、青春と呼ぶにはあまりにも暗すぎるわ!」

「ちょっと言葉が足らなかったかも知れないな・・・。オレ、負い目や義理だけで拳闘やってるわけじゃないぜ。拳闘を好きだからやってきたんだ。紀ちゃんの言う青春を謳歌するってこととちょっと違うかも知れないが、燃えているような充実感は今まで何度も味わってきたよ。血だらけのリング上でな。そこいらの連中みたいにブスブスとくすぶりながら不完全燃焼しているんじゃない。ほんの瞬間にせよ、眩しいほど真っ赤に燃え上がるんだ。そして、あとには真っ白な灰だけが残る・・・。燃えかすなんて残りやしない、真っ白な灰だけだ。そんな充実感は拳闘をやる前にはなかったよ。わかるかい、紀ちゃん。負い目や義理だけで拳闘をやってるわけじゃない。拳闘が好きなんだ。死に物狂いで噛み合いっこする充実感がわりとオレ、好きなんだ。」

イヤァ、言葉は時代を映しますなぁ・・・。
拳闘とか青春などという死語も使われており、 いささか昭和チックではあるが、
その純粋さに心打たれないものはいないだろう。

今日はこれをもじって、もし、男声合唱団員貴兄なら、
合唱に今ひとつ理解の足りない女性から上記のようにこぼされた際、
どのように立ちまわることだろうか? 一例を挙げてみたので、参考にしてください(?)

「〇〇くんは・・・・さみしくないの?同じ年頃の青年が海に山に恋人と連れ立って青春を謳歌しているというのに」

「・・・」

「〇〇くんときたら、来る日も来る日も階下のスーパーの売れ残りの焼き鳥とか揚げパンのにおいがただよう前橋中央公民館に閉じこもって発声練習をしたり、柔軟体操をしたり、パート練習をしたり、アンサンブルで指揮者にたたかれたり・・・たまに明るいところに出るかと思えば、そこはまぶしいほどの照明に照らされたステージという舞台の上・・・。喫煙や飲食が禁止された演奏会場で団で仕掛けたサクラ要員にブラボーされたり、指揮者に指揮棒を投げつけられながらいつの間にか楽譜が書き込みだらけになって歌うだけの生活・・・しかも体重はまだどんどん大きく増えようとしているのに尿酸値や中性脂肪を抑えるために食べたいものも食べず、飲みたいものも飲まず・・・惨めだわ、悲惨だわ、青春と呼ぶにはあまりにも暗すぎるわ!」

「ちょっと言葉が足らなかったかも知れないな・・・。オレ、負い目や義理だけで男声合唱やってるわけじゃないぜ。男声合唱を好きだからやってきたんだ。××ちゃんの言う青春を謳歌するってこととちょっと違うかも知れないが、燃えているような充実感は今まで何度も味わってきたよ。めくるめくステージ上でな。そこいらの連中みたいにブスブスとくすぶりながら不完全燃焼しているんじゃない。ほんの瞬間にせよ、眩しいほど真っ赤に燃え上がるんだ。そして、あとには真っ白な灰だけが残る・・・。燃えかすなんて残りやしない、真っ白な灰だけだ。そんな充実感は男声合唱をやる前にはなかったよ。わかるかい、××ちゃん。負い目や義理だけで男声合唱をやってるわけじゃない。男声合唱が好きなんだ。死に物狂いで歌いっこする充実感がわりとオレ、好きなんだ。」

まぁ、こんなジョーみたいな男が、だいたいにおいて今時いねぇだろ、って感じですね・・・。
でも、こうやって「拳闘」を「男声合唱」に置き換えてみると、必ずしもフィットしませんが、
自分の取り組んでいることについて、少しだけ真実が見えてくる気がしてきます。

 

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コメント

  1. タカハシ より:

     あ〜、来たなぁ〜「明日のジョー」。リアルタイムで少年マガジンを読んでいた世代なので、感慨もひとしお。個人的にたまらないのは、やはりホセ・メンドーサとの死闘。白木葉子がジョーの試合を見ていられず、いったんは会場から抜け出します。「私は見なきゃいけないんだ」と思い直し、再び戻って来る。
     メンドーサのコークスクリューパンチでぼろぼろになったジョーに、リングサイドから「打ちなさい、矢吹くん。思いっきり打つのよ!」と声をかけるシーン。今思い出しても目頭が熱くなります。もう一回、読み返してみようかなぁ。

  2. admin より:

    タカハシさん、コメントありがとうございます。

    私は残念ながらリアルタイムでは読んでいないのです。
    物心ついたときは、「おれは鉄平」でしたので・・・あはは。
    でも、コミックは読み漁りましたよー。何冊かは実家に眠っているはずです。

    最終巻(20巻)の、ホセとの死闘は実に読み応えがありました。

    かつて葉子は、力石戦後酒浸りになるジョーを前に、こんな事を言っています。

    「はっきり言います。あなたはリングでウルフ金串のアゴを割り再起不能にし、そしてまた、力石徹をも死に追いやった罪深きプロ・ボクサーなのよ。こんなところで酒にひたり愚痴をこぼしおだをあげてる気楽な身分ではないはずだわ!このままでは男として義理がたたないでしょう。あなたは二人から借りが…神聖な負債があるはず!いま、この場ではっきり自覚なさい、ウルフ金串のためにも力石くんのためにも、自分はリング上で死ぬべき人間なのだと!」

    しかし、ホセ戦を前にパンチドランカー症状を呈するジョーが、
    リングに上がろうとするのを、今度は必死に止めるわけで。

    仰せの白木葉子の心の揺れが、物語を味わい深いものにしていますね。

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