合唱祭で 録音テープ配布(有料)を復活させよ

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ここ で言う録 音テープとは、他でもない。県合唱連盟主催の合唱祭において、自分たちの出番の模様をライブ録音した磁気媒体である。

あなたの住む都道府県での合唱祭では どうだろう??有償無償を問わず、配布はされているだろうか??

実はこの「録音テープ」2年ほど前まで、群馬県合唱祭においては、有償で配布されていた。 値段は確か1000~2000円だったと記憶している。しかし、ここ2回ばかり公式に配布がなされていないのだ。連盟は、今までこの理由を正式にアナウン スしていない。

ところで、「録 音媒体」の意義とは一体何だろうか。もちろん、過去に当該合唱団が歌い綴ってきた歴史的史料としての価値も十分持っているだろう。今回本欄で扱いたいの は、もう一つの側面である。

当たり前の事だが、ライブの状況をそっくりそのまま再現できるメディアは、今のところこの世には存在しない。所詮、「録音媒 体」の中に収められているのは、そのライブの部分集合でしかない。そして聴覚以外のパラメターは、ほぼ入り込む余地がないと言える。

例えば、演奏者の顔の 表情・動作、指揮者のタクトさばき、ホールの気温湿度臭気、聴衆の息づかいや熱気・興奮度等々・・・これらの情報は実際にライブ会場に居合わせた人間でな ければ、「録音媒体」を聴いただけでは想像の域を出ない。

しかし、「録音媒体」中には我々にとって、きわめて有用な情報が多数詰め込まれている事を忘れて はならない。無論、その優秀な録音媒体からは、聴覚以外のデータを感じ取ることも十分可能であるのだが、なかでも貴重なのは、言わずもがな「技術的情報」 である。

毎年のように演奏会を開くことの出来ない合唱団にとっては格別、それは技術の成熟度を測る貴重な一里塚であり、これから進むべき道を教えてくれる 道しるべでもあるのだ。録音技術の稚拙さによっては時に、粗(あら)の部分を、録音媒体中に却って拾いすぎてしまう事もあるが、近年の充実した各地ホール のPA設備を考えれば、主催者側で技術員を雇わなくとも、ホール側任せでそこそこ質の良いマスター媒体が手に入るものなのだ。

ところで、合唱祭は、連盟の主催するコンクールを含めた多種イベントの中でも、一番参加団体が多い。聴衆はさっぱりなのに、参加団体数は凄いものがあ る。合唱祭の是非論はまた別の機会に論ずるとして、とにかく全県下から、様々な目的を抱え、それぞれのスタンスから沢山の合唱団がステージに臨む。

一団体 当たり高々数分の時間であるが、この僅かな時間に自分たちの持てる全てをぶつける事そのもの・・・無論、この経験が大切なのであるが・・・より、それを反 芻したり反省したり(反芻と反省・・・敢えて区別した)する時間が技術的な成長を助けると思うのだ。

その客観的な唯一の資料として、「録音媒体」は重要な アイテムなのではないか。その演奏の中で、きらめく瞬間瞬間がライブでは感じられたのだったら、「録音媒体」があれば再び聴き返すことができる。

うまく行 けば追体験に近づく事だって可能だ。(←反芻)はたまた、程度の大小を問わず失敗した箇所があったのだったら、その部分を敢えて聴き返してみる・・・。 (←反省)もっともっと巧くなりたい・・・向上心と反骨の精神のきっかけは、案外こんな所から発しているのではないだろうか。

特に団の技術系にとっては、今後へ繋げる大きな資料となり、団の技術的目標を立案するのに重要な根 拠となりうるのだ。

このように、演奏が満足不満足のどちらであろうとも、録音媒体というものは我々人間を陶酔させ、音楽の楽しさ・厳しさを思い知らしめる とともに、次の演奏への叱咤激励を与えることが出来る物体なのである。

にもかかわらず、群馬県合唱祭では配布が見送られている。不思議なことに、県内の合唱団がこれに異議を唱えた形跡は今のところないのだ。合唱祭における 録音媒体の意義を、合唱連盟幹部はもちろん、本県の合唱団はもう一度再考してみてはいかがだろう。

それにしても、どこの誰が、「廃止しよっ!」なんて言い やがったんだろ??どうでも良いことだけど、それを知りたいよ、筆者は。連盟理事の肩書を持ってるどっかのオバハンが(失礼!オジサンかも)、軽い気持ち で言ったのかも知れないけど、それを易々と受け入れて流されてしまう連盟が信じられない。そういうオバハン(また失礼!)を撃退できない連盟が苛立たし い。

それとも、本当に連盟はそういうオバハン達に占領されてしまっていて、少し骨のある事を言うと、返り討ちにあってしまうシステムが構築されてしまって いるのかぁ??ま、その内実は4月にある連盟総会で確かめて来るとしよう。それにしても、廃止したのは、まさか金がかかるからなんていう理由じゃないだろ うねぇ。何となく、そういう系の大ボケな理由のような、イヤーな予感はしているのだが・・・。

いずれにせよ、群馬県合唱連盟 は「録音テープ」配布廃止の理由を明らかにすべきだ。配布の廃止は、全県的に合唱技術の向上を鈍らす。最悪、レベルをダウンさせるだろう。そして、廃止の 理由を満足に説明できないようなら、即刻今年から、録音媒体の配布を復活させるべきだ。

連盟とは、合唱を市民芸術の立場から奨励する団体ではなかった か??このまま放っておかれたのでは、合唱技術の向上を振興するその立場と、正反対のことをしているのではないかという疑念が払拭できない。

趣味としての 合唱をとことん突き詰める立場として、一般に「音源」と呼ばれる録音媒体の配給を止めることは、芸術振興の立場からも流れに逆行するものであると、強く指 摘したい。

そして、もっと現実を直視せよ。合唱後進県の本県から、合唱コンクールの関東大会を、一度たりとも突破した合唱団は無いのである。これは、技術 的に本県合唱団が著しく立ち後れていることを意味している。今回のような誤った施策を展開し続けるのであれば、そうでなくとも黄昏の中に身を置く群馬の合 唱界を、いよいよ漆黒の闇の中に迷い込ませることに他ならない段階まで来ていることを、特に連盟の運営に携わる方達は思いを致すべきであろう。

 

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