2009年6月27日(土)通常練習

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現在小団で取り組む2曲のピアノ曲は、上原良子さんのピアノ伴奏による。 しかし、上原先生とのスケジュール調整の都合上、7〜9月の練習が不可能であるため、 第5回演奏会五ヶ月前というこの時期に、一旦練習を切り上げる意味で仕上げを急いできた。

今回は、この前半戦の最終日。

■場所 前橋中央公民館(47スタジオ)
■出席人数20名(T1:3 T2:6 B1:4 B2:7) 出席率80%
■練習内容 
「チャイコフスキー男声合唱曲集」

チャイコフスキーはペテルブルグ音楽院を卒業しているが、そこでの卒業作品は、 なんと、カンタータ(声楽器楽曲とでもいおうか・・・)であった。 しかも、ベートーヴェンの第九で使われた有名なシラーの詩(ロシア語訳)による、 カンタータ「歓喜に寄す」と題されていたというから興味深い。

チャイコフスキーは生涯100曲以上の歌曲を残したが、それは、ほとんどが19世紀のロシア国内で確立されていた「ロマンス」という、芸術歌曲形式による。 六曲程度をひとまとめにし、作品番号を付けたらしい。

ちなみに、今回取り組んでいる第三曲「憧れを知る者のみが」は、 「六つのロマンス」作品6の六曲目である。(楽譜の目次ページに記してあるが) 貴族のサロンを対象にしたものであったろうが、それぞれの楽曲は完成度も高く、 ロシア語という言葉の壁さえなかったら、もっと西欧にも浸透していて然るべき名曲揃いだ。

歌詩には、トルストイ、ゲーテ、ハイネ等のロマン派詩人からのテキストを採り、 叙情的なピアノ伴奏のもとで、その純粋な感覚を的確に表現したみずみずしい歌曲なのである。それを今、故福永陽一郎氏の編んだ男声合唱曲集として、我々が歌う機会を得たことは、大変幸せで、素晴らしいことであると言う以外にない。

さて、今日は、この一曲のみに練習のターゲットが絞られる。 この曲は、本番の第1ステージで歌うことが決定している。

D-durのピアノによる三連符が優美に奏でられると、静かに立ち上るように合唱が後を追う。 なんというデリケートな冒頭だろう。たった一人のメンバーの、わずかに乱れたブレスやディクションでさえ、曲全体を壊してしまいそうだ。 この雰囲気がたまらない・・・。

そして、Bassによる印象的なリフレインが、我々の感情をきわめて自然に高めてゆく。 この冒頭部では初めて四声が揃う部分が出現するが、曲調が一旦下降するため、 あらためて四声が揃い、その効果の本格発現の時までエネルギーが温存されるのだ。

Secondに主旋律が移行し、Topがオブリガードに転ずると、 ピアノのシンコペーションによる切ない下降音型が、 歌い手聴き手から何かをえぐりだそうと、曲自体を揺さぶり始め、 その瞬間にTopに主旋が戻って再び四声が揃うことで、曲調の盛り上がりを急き立ててゆくのだ・・・・・。

曲は徐々に起承転結の「転」にさしかかる。 「何故朝から空の太陽は冬のように冷たく暗いのか!」という詩で内声にメロディが移ってゆく。

美しいTenor系の二重オブリガードのもと、荘重なBassによる半音下降進行を従え、Baritoneによる高唱の後、詩が自分自身へと内向きに回帰してゆくが、 終盤のMeno mossoで四声による絶唱の後に、長い余韻を引きずりながら曲は閉じられる。

もちろん、僕らの技倆はまだまだ未熟で、ここに欠点を詳細に書き出そうとすればきりがない。 しかし、この日は時折、チャイコフスキーの影がちらついたように感じた。(大げさだが)

いつの間にか身体に染みこむメロディと詩。 あんなにロシア語にアレルギーを示していた僕らが、日々暗誦で口ずさめるようになって、今こうして、一つの歌曲として曲がりなりにも歌い通せている。

チャイコフスキーの偉大さと、編曲者であるの福永陽一郎の妙。 振り返れば、この両者の遺伝子に歌わせられている我々の姿があった。 とりあえず、我々はこの曲を当面封印して寝かせることにした。

寝かせた後のお味やいかに!?

■連絡事項
(事務局より)
・次回練習は7月4日。(場所は前橋中央公民館46スタジオ)
・楽譜、チャイコ日本語訳を配布
・高崎コスモス合唱団演奏会お知らせ

(指揮者より)
・次回から、「20周年記念ステージ」音取り開始!

 

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